服が大好きなので、衣装を考える上で大切にしてきたことをまとめておこうと思います。
舞台の雰囲気と曲のイメージに衣装の色と形がぴったり合うと、歌全体の印象が良くなります。
例えば、明るく元気なイメージの曲が多いグループの衣装がクラシックのようだと、全体のイメージがちぐはぐになってしまいます。
逆にバラードが多いグループがロックな衣装を着ていたら、このグループは一体何をしたいのか?と思ってしまいます。
明るいなら明るい服、
さわやかならさわやかな服、
しっとりしているなら落ち着いた服
を着たほうが聞く側も共感しやすくなります。
イメージは初めて会う方にも分かりやすく、伝わりやすいことが大事です。
そして、イメージがかたまったら次は色です。
これはイメージに合えば何色でもいいと思いますが、御心の色がきっとあると思います。
ただ、黒はとても難しいです。特にコンサートの場合、背景が黒のことが多いので、同化して歌っている人が見えなくなったり、暗いイメージを与えてしまうおそれがあります。
そこで素材をスパンコールなど光るものにしたり、ハリのある生地などにすると「特別感」が出るので「あえて黒い衣装」にした意図が伝わるのではないかと思います。
※イメージ図
また同じ色でも、はっきりした色と柔らかい色があります。顔がはっきりしている方ははっきりした色、すっきりしている方や柔らかい印象の方は柔らかい色が似合います。
左の方は顔がはっきりしているのではっきりした色が映えます。右の方は柔らかい印象なので上では白いドレスですが、アイボリーやパステルなどの色調が似合うと思います。
顔の印象は、家族やよく会う友達に聞くとズバッと言ってもらえます。
また肌の色が黄色っぽい方は暖色系、青っぽい方は寒色系が合うと言われています。分かりやすいのは照明がきちんとあたる場所で、自分の顔の近くに服を持ってくることです。顔の印象や顔色が一番映える色があるはずです。
また、舞台は客席と距離があること、照明によって色が飛んでしまうため、できるだけ濃い色をお勧めします。まず目につきやすいのと、薄い色だと白っぽくなってしまい何色なのかわからないからです。
※この青いシャツでも、舞台上だと水色に見えます。
そして次に大切なのはサイズです。これは「自分が一番スタイル良く見える形」を見つけることが大事だと思います。
具体的には見せたくない部分を隠して、見せたい部分を強調することです。
私の場合は、お腹が出ていることと、二の腕と脚の上部分が太いのでその部分はできるだけ隠します。逆に手首と脚の下部分と首は強調するようにします。
一番上の衣装ではペプラム(上のほうに切り返しがある形)で下腹部分をカバーし、ネックレスで首を強調、黒いタイツで脚の太さをカバーしました。
これはウエスト部分のシャツを少し出して、ウエスト部分を強調し、くびれのようなものを作っています。さらにネックレスで首に目線がいくようにしました。写真では見えませんが、サンダルをベージュにして靴と脚が一体に見えるようにして脚が長く見える効果を狙っています。
また体型によって似合う生地も違います。
正面から見た場合に比べて、身体の横の幅が薄い場合、細身で華奢な体型の方は、薄い生地やフワッとした生地のシルエットが似合います。
(※画像はH&M,Foever21からお借りしました)
逆に正面と横の幅が近いメリハリのある方は、厚みがある生地やハリのある生地、また少しタイトなシルエットのほうが決まります。
ウエストが強調されているワンピースなどなら、薄い生地でもメリハリが出るので大丈夫だと思います。
ちなみに私の衣装はとても安いです!買いに行く前にいつも「この色でこんな素材で形の服を安くください!」と祈って、赤い服はH&Mで700円、ネックレスはしまむらで300円で、水色シャツと白いスカートはどちらもUNIQLOで合わせて3000円くらい、白いネックレスもしまむらで700円くらいで買いました。
買う前に同じデザインの服のサイズ違いを2つか3つ試着してみて、一番ぴったりくるのを選んだほうがいいと思います。
ピチピチ過ぎると下着のラインなどが出てしまったり、逆にゆるすぎると全体がダボっとしてだらしない印象を与えやすくなります。
またスカート丈も、膝が出るか出ないかの数センチで脚全体の印象が全く変わります。
ズボンもベストなサイズが一番、脚を長く素敵に見せてくれます。
全身を映す鏡や、鏡以上に正直な家族や友達に聞いてみてベストなサイズを是非見つけてください。
さらに服がしっかり決まってるのに、靴が普段のものだと違和感が出てしまうので、できるだけシンプルであまり履かない靴があればそちらを履くと全体が決まります。
また女性はお化粧も少しオーバーなくらいがちょうどいいと思います。また映像があるので画面に映ったときに、どのような仕上がりになるのかを確認する必要があります。自撮りしてみるなどしてみてもいいかもしれません。
私が着た衣装は私の好みとは少し違いますし、実際に普段は着ないものを選ぶことも多いです。本当は薄い色も好きですし、ゆるいシルエットのものも好きです。
でも似合うものと好きなものは違うので、衣装ではできるだけ自分の好みではなく、グループや歌のイメージを優先するようにしています。
衣装はいかに歌い手のまたグループ全体のイメージに合い、かつアピールするかが鍵だと思います。
そのことでより曲のメッセージが聞く側にイメージしやすくなり、共感しやすくなるからです。
このことは、ゴスペルを伝える上でもとても重要なことだも思います。
とてもえらそうに書いてきましたが、もし衣装を考える上でお役に立てれば幸いです。
Yui